卒業生の皆様へ 自由学園長 高橋和也より
『幸せな名建築たち』自由学園南沢キャンパス紹介

自由学園初等部の校舎を表紙カバーとする日本建築学会編『幸せな名建築たち』(丸善出版)が出版されました。日本建築学会の機関紙『建築雑誌』(1887年創刊)の人気連載、「未来にココがあってほしいから」が書籍化されたものです。本文には2016年に行われた自由学園の建築についてのインタビュー記事が掲載されています。
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「私はミカドのために帝国ホテルを建てながら、羽仁さんたちのために自由の精神の小さな学校を建築した。羽仁夫人は若き人々のうちに美を愛する心をどうして植えつけるかを知っていた。それゆえこの小さな学校は広い世界の中でも価値の高い学校の一つであった。」

自由学園創立時の校舎を設計したアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトはこのように述べています。ライトの弟子の遠藤新は、この精神を受け継ぎ、現在の美しい自由学園の校舎やキャンパスを設計しました。

毎日私たちを取り囲んでいる自然や建物は言葉を発することはありませんが、この美しい環境が人格形成に与える影響は計り知れません。生徒たちは短くても3年、長ければ19年という年月を、このキャンパスで生活し、ゆっくり時間をかけて、自然や建築の美しさを肌で感じとっていきます。そしてこの美しさを一つの基準として、気づかないうちに美しさに対する感性や自由な創造性を身につけていると思います。

『幸せな名建築たち』には、42の建物とその物語が豊富な写真とともに紹介されています。私自身も、ライターであり編集者のいしまるあきこさんの「名建築に住むとはどのようなことか」「所有する上での苦労」「未来に残るべき名建築とは何か」といった質問にお答えしましたが、同じ質問に対する「名建築」のオーナーの方々の言葉はそれぞれ異なり、とても興味深いものでした。
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ちょうどこの本の出版に合わせるように、7月12日の東京新聞に「教育方針体現した建築」との見出しで自由学園明日館が紹介されたこともうれしいことでした。(自由学園長 高橋和也)

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