自由学園入学希望者への説明会を開催して

同学会の皆さんは「協力会キャプテン」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
兵庫県在住の私と妻は、現在夫婦で京阪神地区のキャプテンを務めている。
学園の生徒募集活動のサポートを行うのが主な役割だ。特に地方から入学を希望する家庭への学園紹介、相談相手としての活動が期待されている。
北海道から九州まで東京近郊を除く11の地域で、13人の卒業生や保護者、友の会会員がキャプテンに選ばれて活動している。

キャプテンの具体的な活動については地域によって異なり、全国で同じではないが、京阪神地区での活動を報告したい。
キャプテンの役目をいただいたのは、息子が高等科3年生、娘が高等科1年生になった時のことだ。
その頃私と妻は、毎日の食事作りなどに参加されている学園近郊の保護者や那須農場支援で働く同学会員と比べると、何もお手伝いができていないことを心苦しく思っていた。
そんなときにキャプテンを務められていた続木創君(D34)ご夫妻より推薦いただいたのがきっかけである。

キャプテンの活動で毎年行っているのは、①自由学園で行われるキャプテン会議 ②地域の保護者会 ③友の会近畿部会 ④地域の夏休み子ども教室 という4つの会への参加である。

①キャプテン会議では、その年の入学希望者の動向や各部の近況報告の後、学園としての計画を聞き、各地区のキャプテンそれぞれの活動報告と意見交換が行われる。
この会議は体操会や学業報告会、公開見学日などにあわせて行われ、学園に行く機会の少なくなったOBにも今の学生の様子がわかるのでありがたい。
②地域の保護者会では、キャプテンの役割を説明し、保護者会に同席して地方生父母の近況を聞かせていただく。
③友の会近畿部会では、自由学園から来られた先生とともに参加し、キャプテンの役割を説明する。
自由学園に興味を持っている方がおられたら、お気軽にキャプテンに声をかけていただけるように連絡先をお伝えしている。
④地域の夏休み子ども教室(友の会主催)では、会場に来られた方で学園に興味を持たれた方に保護者の立場でご説明をさせていただいている。

これらの会への参加で、さまざまな関係者とのつながりもできた。しかし、入学希望者と直接のつながりを作るものではない。
どこからか相談したい人が現れるまで、何もできることがないのだ。

何かこちらから、小学生の子どもを持つ保護者に働きかける方法はないのかと悩んでいたところ、関西保護者会の皆さんからこの春、嬉しいご提案をいただいた。それは神戸友の家で行われる、保護者会を見学できるオープンデイの提案である。

自由学園関西保護者会の日にあわせて、同じ場所で小中学生のお子様を持つ保護者の方々を対象に学園の説明会を開催するのだ。
先生方から学園の教育について説明の後、関西保護者会を見学していただくというものだ。

東京近郊に住む保護者に比べて、関西の保護者には子どもを1人で東京の寮に入れるというのは心配も多く、ハードルが高い。
実際に東京の学校に子どもを送り出している保護者との交流は、そのハードルを下げてくれるはずだ。

この提案は今年6月のキャプテン会議で承認をいただき、「自由学園説明会・京阪神地区」として11月3日(金・祝)に秋の関西保護者会と同日に開催された。
チラシが用意され、卒業生、在校生保護者、卒業生保護者、京阪神の友の会、幼児生活団通信グループ修了生や幼児生活団卒業生などを通してお伝えいただいた。

その結果、連休中であったにもかかわらず、19家庭32人の方に参加いただき、会場のひと部屋が満員の状態となった。
初めての試みにもかかわらず、卒業生・保護者・友の会のネットワークで広めていただけた事に感謝している。

 

当日は、関西の女子部、男子部、学部の学生が休日返上で関西に帰り、各部の説明や学園の教育についての思いをそれぞれの言葉で語ってくれた。
3部の近況報告を在校生保護者とともに説明会の参加者に聞いていただく事ができた。

いつもの保護者会の雰囲気を感じていただこうと、説明会にお越しいただいた保護者とお子様もお昼のお弁当を一緒にいただいた。
食事の後は(株)かんぽうに勤める長克宣君(D68)からのワークキャンプや現在のネパールでの仕事についての話を在校生の保護者と説明会参加者が一緒に聞く時間をもった。
今回の説明会のアンケートでは「在校生のしっかりした態度に感心した」「在校生、卒業生、保護者の方々のお話を聞くことができたのが良かった」などの感想をいただいている。

協力会キャプテンが、これから各地区でどのような活動を行うかはわからないが、自由学園の魅力を多面的に伝えるためには同学会の皆様の力が欠かせない。
卒業生として、また保護者としてご協力いただければ、地方から自由学園への入学を希望する方がもっと増えるはずだ。
もし皆さんに各地域のキャプテンから要望があれば、ぜひ協力をお願いしたい。

43回生 藤田  剛

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