2015年 同学会・卒業生会合同による「新卒業生を祝う会」

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3月22日(日)午後3時より同学会・卒業生会、合同による「新卒業生を祝う会」が南沢、しののめ茶寮にて開催された。
晴天の下、会場は室内と庭に設けられた。庭には早咲きの桜や、陽に輝く春の池の水面があり、その自然の装飾が建物全体の会場を実に明るく彩って、まさに新卒業生を送り出すにふさわしい環境となった。
同学会からは81名、卒業生会からは42名の方の参加があった。
同学会からは総務担当副委員長富田英和さん(44)、卒業生会からは奥川さんが司会の労をとられた。
今年度卒業生は、4年課程28名、2年課程7名(男子部は71回生、女子部が91回生と93回生)。井田真平さん、橋本光永さん、そして平山さんの3名が、既に決まっている就職先の都合などで欠席され、計32名が出席した。
歓迎会に先立ち、新卒業生代表として荻野彰吾(71)さんからは「皆で集まったりすることがこれからは難しくなりそうだが、故郷のように思える学園にまた集まれることを楽しみにしつつ社会で頑張っていきたい」と述べられた。
寺尾さんからは、「あっという間の学部の2年間であった。まだまだやり遂げられなかったこともあったが、今後、卒業生会などでこれまでに培った学びを完成させられるよう目指していきたい」との挨拶があった。
続いて5名ずつステージに上がり自己紹介があった。
新卒業生とゆかりのある学年(中等科1年生と高等科3年生の関係)として、佐々木翔さん(66)と神澤良輔さん(66)から、両名ともに当日は出席が叶いませんでしたが、ビデオレターによるメッセージが披露された。
佐々木さんからは、社会に出て「新しい自分のスタイルを見つけて欲しい」とメッセージを送られた。神澤さんからは、「社会人になると年齢の5歳差、10歳差はほとんど関係がないと思う。自分の能力次第で先輩も追い抜けるかもしれない。自由学園で学んできたことを生かして大きく羽ばたいてもらいたい」とエールを送られた。
続いて女子部卒業生を代表して、林さんより、代読による横須賀さんからのお祝いの言葉が披露された。
アドバイスとして、社会に出たら「今ある価値観をいったん忘れて、いろいろなことを吸収し、成長していく」こと、もう一つは、簡単にできるメールやラインではなく、相手のことを思いやり、ひと手間かけて、その人のことを考えながら、家族や友人などへ「手紙を書く」ということだ。また林さんからは、壁にぶつかった時や、自分に嬉しいことや幸せなことがあった時には、今隣にいる仲間が一緒に考えてくれたり、喜びを分かち合ってくれる友がいる、ということを忘れないでいて欲しいと締めくくられた。
その後、お祝いのサプライズとして演出された企画は、羽仁知治さん(40)、松原剛さん(43)、小林雅之さん(44)、富田冬来さん(55)、濱田宏太郎さん(46)等のバック演奏に、矢野恭弘学園長(26)がボーカルとして餞(はなむけ)の「上を向いて歩こう」を英語と日本語の歌詞で披露された。
矢野学園長は、「この企画を初めて聞かされたときはかなり抵抗したつもりだったが、実行委員からは『上を向いて歩こう』ならできるはずと練習用のカラオケCDまで提供され、なんとか引き受けた。しかしよく考えてみると、この歌詞は餞(はなむけ)の歌にもなるように思う。私たち人間は、最終的には結婚しても、友達がいても一人であるということを感じることがあるものだ。『上を向いて』とは、私は『天を向くこと』に通じるものがあるように思う。社会に出て、一人涙するようなことがあるかもしれないが、自由学園での友情が悲しみを支えてくれ、そして天には見守ってくれる存在があるということを後から思い出していただければ」と結ばれた。

【原孝二(44)同学会委員長乾杯の挨拶】
例年「アラスカ」で行われてきた歓迎会を、南沢でコンパクトに温かいものにしようという考えから、同社会長である望月豊さん(8)のご了解のもと、今回しののめ茶寮で開催した経緯説明があった。そして乾杯の発声の前に次のような言葉を贈られた。
「3つの心の拠り所を大切にして欲しい。1つは『家族』、2つ目は仕事や職場、学校などそれぞれの『進む道』。そして3つ目は『つながり』で、クラスの友情もあるが、同学会・卒業生会などの縦のつながりが意外や社会に出ると役に立つ」と述べ、和やかな歓談がスタートした。

【男子部辻村先生よりお祝いの言葉】
今回「新卒業生を祝う会」には同学会・卒業生会の会員だけでなく、新卒業生と学園在学中にかかわりのあった教職員のみなさまにも是非参加いただきたいと考えお声掛けした。
その考えに賛同し参加頂いた辻村先生より、次のようなご挨拶を頂戴した。
「今日、このしののめ寮で新卒業生を祝う会が開催されることがなかったら、参加できなかったと思う。何が一番良かったかといえば、自由学園で培った『社会をより良くするための志』を持った人たちが集まり、そうした場に参加できたことがうれしい。そして社会に出て行く人たちが、それぞれが属する社会をより良くしていくうえで、このつながりが財産になるはずだ。『強い善人』であることを望む」。
そして楽しい歓談は尽きる間もなく、あっという間に閉会の時間が訪れた。

【卒業生会委員長田中さんからの閉会の挨拶】
「いつか一緒になりましょう――。それが新入会の皆さんに託す私からのメッセージです。『男子部・女子部が一緒に歓迎会をして欲しい』という一言から今日の会はスタートし、同学会と卒業生会が一緒に準備を進めてきた。在学中は、行事を通じての接点でしかなかったので、同学会と一緒に活動することはどうなのか? と思うこともあった。『本番に強い男子部』が言い訳のようにしか聞こえないと思えたこともあった。しかし今回、同学会・卒業生会がこの企画の準備を通じて、結局のところ、時間の使い方、優先順位の付けかた、表現の仕方は違っても、本質を見極めようとする気概や姿勢は男子部も女子部も関係がなく、私たちはやはり自由学園の卒業生なのだということを強く実感した」。
「今日入会された方たちは、これから同学会、卒業生会に分かれて活動していく。学部で共に学び、そして巣立つ皆さんには“不合理”と思えることもあるかもしれない。でも卒業生会には93年の、同学会には63年の歴史の重みというものがある。男子部、女子部合同による新しい形式の企画を試みるにあたって、冒頭に述べた『いつか一緒になりましょう』とはそういうことだと思い出していただければと思う。次世代を担う新しい卒業生である皆さんには、新しい切り口で解決策を見出だして欲しい。そしてこれからまた同志、同学、同業の友として、私たちの誇れる母校としての気持ちを胸に頑張っていこう」と結ばれた。

最後に「野の花の姿」、「男子部讃歌」をそれぞれ歌い、夕暮れの南沢しののめ茶寮からめいめいが新しい道へと向かって散会した。

広報室 元井(44)

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