自由学園 東北の会

自由学園 東北の会

自由学園東北の会は、7月12日(土)13日(日)の1泊2日バスツアー形式で実施致しました。男性18人、女性22人の総勢40人が参加した今年のテーマは、『自由学園のルーツに迫る』です。
ミセス羽仁生誕の地である八戸への旅のスタートは、新青森駅からです。初日はまず、国の特別史跡に指定されている「三内丸山遺跡」を見学、津軽三味線奏者の山上進氏による演奏を堪能しました。その後、地元の文化交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」見学、ねぶた研究所の竹浪比呂央氏による解説で地域文化の見聞を広めることができました。そして、「東北の熱海」「東北の奥座敷」とも呼ばれる浅虫温泉「椿館」へ。世界的版画家の棟方志功の常宿として有名な温泉宿は、純粋温泉掛け流し100%という優れもの。館主の蝦名さんのお話のあと、お待ちかねの宴会です。
海の幸を中心とした心づくしの郷土料理に舌鼓を打ちながら、東京から駆け付けてくださった同学会原孝二委員長(D44)と松原剛前委員長(D43)より、学園近況をスライドで報告いただきました。そのなかで特に印象的だったのは、当時目利きのミスタ羽仁がアメリカから購入し、今まで那須農場で鉄くず同然で放置してあったトラクターを各方面の卒業生指導の下、学園の生徒が分解・組立て甦らせたという報告です。修繕に必要な多額の資金調達、国内に存在しない部品の海外からの調達、専門的なメカニックのノウハウ・スキル伝授など、「問題解決力」が試されるこの再生プロジェクトはまさに、自由学園の真骨頂ともいうべき「生きた勉強」です。天国のミスタ羽仁と在校生・OBの絆、思いを馳せる貴重な発表内容でした。そして参加者全員からの近況報告は、各方面で「自由学園の手紙」として活躍されている様子、その歩みや思いを聞くことができたうれしい交流会でした。
翌日、バスで移動し八戸の「羽仁もと子記念館」を見学しました。八戸市外を見渡す小高い丘に建てられた記念館は、遠藤楽氏によるもの。館内には、ミセス羽仁の生まれ育ちの様子がわかる写真や遺品が数多く展示されていました。また、友の会会員による「羽仁もと子の生涯」ビデオ上映会と解説をいただき、10年間の学園生活では知りえなかったことを吸収できたことは有意義でした。そして、グランドピア八戸で「八戸せんべい汁」の昼食をいただきました。
ここでミセス羽仁の実妹の曾孫にあたる女子部63回生岡本潤子さん(旧姓千葉さん)が登場し、ミセス羽仁の祖父、母親のお墓参り、生誕の地である八戸町長横町6番地、種差海岸をご案内いただきました。
矢のように過ぎた2日間、終着点の八戸駅でお別れの時間が来ました。遠く離れた母校を想い、お互いの健闘を称え、固い握手で再会を約束しました。今年の幹事、男子部49回生白鳥五大さん、女子部46回生武田しげ子さんによる緻密な段取りと計らいで素晴らしい集いとなりました。来年は山形です。全国からの参加、お待ちしております。

尾川由紀智(D45)

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