2011年度 卒業生大会の報告

卒業生大会は10月15日(土)、午前中に開催されました。あいにくの雨模様にもかかわらず、記念講堂に366人が集まりました。
礼拝は、讃美歌:285番、聖書:詩篇23篇。委員長の八木さんが、創立90周年を迎える年に東日本大震災に見舞われ、卒業生会として災害支援などに心を砕き、生涯が学びの時であると実感した半年を振り返り、今後も多くの友と主と共に、試練を乗り越えていきたいと語りました。

社会に働きかける学校として―自由学園より
矢野学園長は「お帰りなさい」と卒業生一同に呼びかけ、自由学園の近況を話してくださいました。被災地の小学生にハンカチを送った初等部から、青空市開催のお手伝いや仮設住宅訪問を行う最高学部まで、全校で行っている災害支援について。また9月に行われた「野の花祭」(オープンキャンパス)では自作のワンピースを披露するファッションショーを生徒が企画するなど、新たな課題にいきいきと取り組んでいる様子が伝えられました。市岡理事長は「ミセス羽仁の建学の精神には 一種の”無鉄砲”さがあった。現在こそ、学園はフロンティアを切り開いていく必要がある」と話されました。
記念事業については、10月1日のオープン以来、地域の方を中心ににぎわう「自由学園クラブハウス しののめ寮」の様子、雨水排水幹線工事(第1期)によりキャンパス内の道路がブロック舗装された説明のほか、協力会、記念事業募金の現状報告がありました。来年6月には、90周年募金委員会主催で、上智大学名誉教授の、アルフォンス・デーケン先生をお招きしての90周年記念講演会が予定されています。

東日本大震災の支援について
東北在住の55回生・島津さんは、被災された卒業生の近況と、自由学園、婦人之友社、友の会と協力して行われている被災地支援の様子をスライドで紹介しました。漁業を営む被災地では地元の方から漁や浜での暮らしの工夫を学ぶ中で、本当に必要とされている支援がわかってきたことなど、互いに心を通わせながら活動をしていることを、具体的に話してくださいました。9月22から24日に、女子部卒業生会が同学会・初等
部と協力して行った、収集・仕分け作業を経て無事に支援物資が現地に届けられたことも報告されました。

100歳から30歳までそれぞれの節目の年
節目のクラスからは、自由学園で培われた心の糧が卒業後の経験を通して実を結んでいる近況が、深い感謝のうちに語られました。
今年100歳を迎える9回生・6人のおひとり吉澤さんからは、お手紙で感謝とお祈りの言葉が寄せられました。普通科1年の2学期に南沢校舎が完成した19回生は「今もそこで学生たちが働く姿に励まされます」と話します。太平洋戦争中に入学し大芝生一面の畑を耕した日を振り返る29回生、仕事や育児に奮闘中の69回生、79回生からも卒業後の歩みをひと言ずつ伺いました。

自由学園で日々営んだ”自治”の学びを生かし、社会に働きかける活動を実践している卒業生からもお話を聞きました。
59回生・栗栖さんは、島根県浜田市の自宅を改修し、子どもから高齢者まで地域住民の拠点となる「浜田のえんがわ」を開設。集う人たちが自主的に地域の福祉・教育や食文化向上を図れる場を提供しています。
49回生・田中さんはネパールの子どもに学資支援を行ったことをきっかけに、2002年に女児孤児院を開設。その後、現地の子どもたちを取り巻く過重労働、人身売買などの問題に取り組むNPO法人を設立し、資金面だけでなく、地元の大人たちの協力により子どもたちが自ら生活していけるように支援しています。
46年間、女子部弦楽オーケストラの指導をしてこられた39回生・戸田さんは、卒業生・在校生22人でパッヘルベル作曲「カノン」を演奏。つづいて弦楽合奏に合わせ全員で「野の花の姿」を合唱し、感謝と希望に満ちた余韻のうちに閉会となりました。
(67回生 副委員長)

詳しくは12月発行の会報をお読みください。

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強い風雨の中、会場に向かう卒業生

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委員長による礼拝

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被災地での心濃やかな支援報告

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卒業生と在校生の息もぴったりの演奏

 

 

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