2024年度3月那須農場支援活動のご報告

3月の支援活動は3月22日(土)23日(日)の2日間で行われました。
当日は季節を先取りしたような暖かさでした。
長年、水田の管理などで自由学園と深く関わって下さった地元の農家である八月朔日(ほづみ)さんご夫妻が、ご高齢のため学園の活動から引退されるとのことで、感謝の気持ちを表す会も開催しました。参加人数は38名と大変にぎやかな活動となりました。
3月度行程表
3月22日(土)
時間 | 内容 |
8:00 | 学園出発 |
12:15 | マイクロバス那須農場到着 |
13:30 | ・宿舎前の土地の開墾 ・羽仁先生宅裏の竹やぶ整理 ・建物の補修 ・草刈り |
18:00 | 夕食 (八月朔日さん奥様をお迎えして) |
22:00 | 就寝 |
3月23日(日)
時間 | 内容 |
5:00 | ・牛舎作業 ・鉄パイプ構築物の分解 ・電線のビニールむき |
7:00 | 朝食 |
8:00 | ・畑の開墾作業 ・草刈り ・建物の補修 ・電線のビニールむき |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 宿舎の掃除 |
14:00 | マイクロバス出発 |
18:15 | 自由学園到着、解散 |
活動内容
<牛舎作業>
牛のお世話をお手伝いします。今回は小中学生が主に担当しました。

<宿舎前の土地の開墾>
宿舎の前にある、木下先生の小屋があった土地を畑にするべく、開墾作業を行いました。重機で土を掘り返し、チェ-ンソーで枯れ木を切り、埋まっている石を掘りだして片づけていきました。

<羽仁先生宅の裏の竹やぶ整理>
羽仁先生のお宅の裏にある竹やぶから、切り倒された竹を運んで集め、整理しました。

<建物の補修>
普段から大工のお仕事をされている参加者が、技術を活かして小屋の屋根などを補修してくれました。
<鉄パイプ構築物の解体>
鉄パイプを組んで作られた、はさがけ(刈り取った稲を干す台)などを解体して整理しました。跡地を耕して畑にします。

<電線のビニールむき>
解体した建物から出る沢山の電線は、被覆しているビニールをむけば中の銅線を業者が買取ってくれます。

<食事当番>
今回も鮭のちらし寿司などおいしいお食事をありがとうございました。また、ご自身で作った野菜を差し入れて下さった方もいて、おいしくいただきました。

作業の合間には子供を乗せてトラクターライドも。このファーガソンは栃木県最初のトラクターで歴史的な価値のある1台です。

すでにお知らせしている通り、那須農場に古くからあった事務室などの建物が老朽化のため取り壊されて更地になっています。 見慣れた景色が変わっていくのは寂しいものですが、ここからまた新しい那須農場の歴史の1ページが刻まれていくのが楽しみです。

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1年間、支援活動の運営をお手伝いしました。色々不手際もありご迷惑をおかけしましたが、先輩方のサポートでなんとか乗り切れました。ありがとうございました。
2011年の東日本大震災から14年、だんだんと自由学園の学生が那須農場で活動できるようになり、教育の場としての本来の那須農場が戻ってきたことに安堵しております。
もともと除染作業から出発した本活動ですが、夕食後のひとときに初期から参加している先輩方のお話を聞けたことは貴重でした。放射線量が高い中、木を抜き土を削り、その苦労あって現在の那須農場が残っています。
現在の支援活動は、様々な世代の人たちが汗を流しながら交流できる、とても楽しい場所です。引き続き皆様のご参加をお待ちしております!
(D53 須藤・記)
八月朔日さんご夫妻への感謝の会のご報告
3月22日(土)18時から、農場の食堂で「八月朔日(ほづみ)さん感謝の会」を開きました。当日は、八月朔日大樹さんの足の調子が良くなかったため、奥さまの美智子さんにご参加いただきました。また、南沢会を代表してD46濵田さん、D53塚本の2名がご自宅に伺い、直接感謝の気持ちをお伝えしました。
ご夫妻と那須農場のご縁について
感謝の会では、企画・会員連携室員のJ73雨宮さんと佐藤さんから、八月朔日さんご夫妻と那須農場とのこれまでの関わりを紹介していただきました。進行はD53秋山くんが担当しました。以下、紹介文を転記します。
「八月朔日(ほづみ)さんご夫妻と那須農場とのご縁は、2003年から始まりました。もともと農場のお米作りをお願いしていた地元の農家の方が引退を希望され、そのバトンを、同じく地元で農家を営んでおられた八月朔日さんが受けてくださいました。そして今日に至るまで、那須農場のお米作りや農業支援に尽力いただきました。八月朔日さんの働きは、毎年のお米の苗の提供、接骨木(にわとこ)水田の管理、お米作りの指導に加え、学園生が農場を訪れた時には、ただの農業指導でない、農業を中心とした生活の体験ができるようにとの考えで、様々な活動を企画して下さいました。また、学園で消費するお米の約3分の1は、八月朔日さんが丹精込めて育ててくださったものでした。お米を育てるところから収穫、流通、販売、消費という、作物を作ること だけが農業ではないということを、活動を通じて教えてくださいました。 創立者羽仁吉一は「教育と産業の場」として 1941 年に那須農場を開墾しました。 その精神を受け継ぎ、長きに渡り力を尽くしていただいたことに、心より感謝申し上げます。」
記念品の贈呈
22年間のご縁と感謝の気持ちを形に残すべく、南沢会より、学園の食堂に掲げられている「見えないお客様」の一文を刻んだ陶板をお送りしました。場所は違えど、「食事のたびに八月朔日さんご夫妻を思い出せるように」という願いを込めて作ったものです。制作は、益子で活躍する陶芸作家のD56北条くんが担当しました。

また、D30幼方さんが、ご夫妻とのこれまでの活動の写真をまとめて額装し、お渡ししました。

八月朔日さんは目を細めながら写真を眺めて、写っている方々の名前をあげながら「沢山思い出がある」とお話ししてくださいました。また、贈呈した陶板と同じものが農場の食堂にもあり、対(つい)である旨をお伝えしたところ、「居間の飾り棚に置きます」との嬉しいお言葉をいただきました。
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2024年度の1年間、那須農場担当として関わらせていただきました。1年前は、委員と仕事の両立は難しいのでは、と不安を抱えながらのスタートでした。
蓋を開けてみると、どの月も南沢会の同級生たちが積極的に参加し、農場担当の私と須藤くんのサポートをどんどんかって出てくれました。本当に心強かったです。毎月の活動の2日間は、まるで学生時代に戻ったような時間で、美術展や体操会、音楽祭の準備をしていた頃の気持ちに戻っていたように思います。上級生も下級生も一緒になって、学園行事の準備をしている、という感覚です。
すでに頼もしい下級生、J74回生とD54回生が新年度の委員として活動を始めています。この引き継ぎの感覚もまた懐かしいです。
当初、企画・会員連携室として特別に何か企画しなければと思っていましたが、私たちには那須農場があります。会員がそれぞれのタイミングで足を運べば、最高の連携が出来てしまう、しかもそれはずっと続いていた。そのことに気がつきました。1年間元気に活動できました。ありがとうございました。
(D53 塚本・記)

女子部73回生、男子部53回生が運営を担った2024年度の活動も3月で終了し、4月からは2025年度の委員にバトンタッチします。
3月の活動の様子をGoogleフォトアルバムにまとめました。こちらからぜひご覧ください。
2024年度企画・会員連携室 D53 塚本・須藤 J73 渡邊