2023年2月 那須農場支援労働報告

2月23日(木・祝)、25日(土)、26日(日)那須農場支援労働が行われました。
毎年2月は、雪が多い時期でもあり、事故回避のため労働を組んでおりませんでしたが、今年度もコロナで支援労働の回数が少なかったこと、今年は暖冬で道路の凍結の心配がないこと、また、自由学園の生徒が安全に那須農場で活動ができる環境保全のために、那須農場運営委員会からの依頼を受け、緊急支援ボランティアを招集いたしました。

今回は南沢会から10名、卒業生父兄1名、南沢会家族2名、友の会父兄1名の、計14名が参加してくださいました。
写真が多くなったため、別途まとめたフォトアルバムも併せてご覧ください。

今回の労働ミッションは、倒木処理、枝払い、雑木整理など、チェーンソー有資格者に参加を依頼しての作業でした。
23日には、静岡からD70の卒業生が朝から自前のチェーンソーを持ち込んで作業に当たってくれました。

切り落とした枝は、ダンプで回収、食堂前の広場に集める作業を数名の前乗りメンバーにお願いをしました。

25日(土)は学園から海山号、自家用車で参加してくれたメンバーが加わりました。
農場内に点在している切り落とした枝の回収と、集めた枝を薪にする人と、処分する人、運びやすいサイズに切り分けていく人の、チームを分けて作業を開始しました。

薪置き場をまずは整理するところから。
コロナ禍で3年間、関われなかった場所でした。手を付ける前に気合を入れて。。。

 

 

生の木は、チェーンソーでも硬く、簡単には切れない種類もあり、チェーンソーの刃をメンテナンスをしていただきながらの作業でした。

日差しは暖かかったのですが、小雪が舞い、風も強く、寒い中での作業となりました。
「現地には伺えませんが、皆さんでどうぞ」と、今回も南沢会会員の方から差し入れをいただき、休憩時間にいただきました。
いつもあたたかい心遣いをいただいております。疲れた体にしみわたるお茶とコーヒーでした。ありがとうございます!

 

今回参加してくれた中学生が、作業の途中でツルハシを手に取り
「これって、どうやってつかうのかな?」
とつぶやいていました。それに気が付いてそばにいた大人が
「それはね、ツルハシと言って、硬い岩を砕いたり土の中の岩を掘り出したり、線路にある枕木を調整したりするのに使う道具だよ。」
と、手に取って、地面の岩を掘り起こして見せました。

「わぁ!すごい? ゲームでみたことあったけど、本当にそうやって使うんだ!」
やってみるか? と聞かれ、彼は恐る恐るツルハシを手に取り、持った瞬間
「お、重い・・・?」
ゲームでは重さや触感は感じられない。
ツルハシなんて、東京に暮らしていたら触るシチュエーションもそうないですよね!

子どもにとって、何かを教わる人は、先生や親だけではない。一緒に労働する中で、子どもの疑問と真摯に向き合い、考えて、答えてくれる大人がいる。
大人と子どもとの心温まるやりとりに、寒さや疲れも思わず忘れてしまいました。
さて、1日目は辺りが暗くなる17:00頃まで働き、薪置き場も整然とされ、気持ちよく終えることができました。

 

冷え切った体を寮のお風呂で温めてから夕食をとりました。今回は、食事当番を設けず、温かいお弁当を購入して食堂で食べました。

東北大震災前から、那須農場で自由学園学部生徒の「勇気米」を手伝いに来られていた卒業生のお話や、11年前、支援労働が始まったころから活動されている卒業生からは、当初冷たいお弁当を食べていたが、それでは労働の後辛いだろうと、温かいみそ汁を作って出した料理が始まった経緯。これからの南沢会について、支援活動について、希望やご意見をたくさん話し合えた貴重な時間となりました。

後片付けは、じゃんけんで負けた大先輩方が、たのしそうに引き受けてくださいました。
こんな光景も、子どもたちにとっては刺激的だったようで、「男の人だけでやるんだ。。。」と見つめていました。

翌日は朝から酪農部門のお手伝いもさせていただきました。

 

 

そして、午前中は、帰る時間まで、引き続き切った木の整理と、薪にならない小枝は穴を掘って積み上げました。すべての作業を昼までに終えることができました。

今回は南沢会で発注したアイスを持ち帰るミッションも担っていました。
後日談になりますが、この日作っていただき持ち帰った那須農場のアイスは、卒業を控えた高等科3年生にふるまわれました。
卒業してもまた、南沢会員として、那須農場に支援ボランティアに来てくださいと、お話をすることができました。

 

今回は、急な呼びかけにもかかわらず、参加して下さった皆様に心から感謝申し上げます。
今回の労働では、「那須おろし」と呼ばれる、木々が倒れるほどの強い風が、那須岳から吹き降りていました。
この風が吹き始めると、この辺りの農家は春の種蒔きの準備を始めると聞いたことがあります。
成長が始まる春を迎える前の、大切な準備期間に、有意義な労働ができたこと、感謝申し上げます。

いよいよ次回 3月18日(土)、19日(日)は、今年度最後の支援労働です。
また、4月からは新しい委員会とともに、新年度の活動が予定されております。
南沢会となり、3年目を迎える「那須農場支援労働」。
これからも自由学園の那須キャンパス整備ボランティアとして、皆さまのお力添え賜りますようお願い申し上げます。

南沢会 企画・会員連携室

このWebはコンテンツを保護しています。